前回まででホームタウンでの入場者数について見てきましたが,今回はホームタウン以外での試合について見てみます.「ホームタウン以外での試合」というのも言いにくいので「ビジターゲーム」と呼ぶことにします.つまり,
・試合の主催者で区別する場合は「ホーム」か「アウェイ」か
・試合の開催地で区別する場合は「ホームタウン」か「ビジター」か
という分類になります.

これはあくまでもこのサイトでの使い方です.プロ野球などではここでいう「アウェイ」を普通に「ビジター」と普通に呼んだりするようなので,ご注意ください.

というわけで,ビジターでの動員力を計算してみました.以前にも触れましたが,あるチームがビジターで訪れた試合での入場者数と,それ例外での相手ホームタウンの入場者数との割合で「ビジターでの動員力」を表すことにします.この値が大きければ大きいほど,各地で客の呼べるチームと言えます.
計算前の勘では,ホームタウンでの入場者数が相対的に小さいチームは,相手チームのホームタウンでの入場者数に助けられてある程度ビジターでの動員力が大きくなると思います.
では,2004年度の計算結果です.

2004年度Lリーグ入場者数
平均入場者 標準偏差 安定度 ビジター
動員力
L1 YKKAP 527.9 125.59 4.20 0.66
レイナス 991.9 451.52 2.20 0.74
ベレーザ 1,880.0 810.56 2.32 2.02
伊賀 321.4 96.34 3.34 0.82
高槻 618.0 509.09 1.22 0.86
TASAKI 757.1 553.34 1.37 2.02
バニーズ 685.7 606.71 1.13 1.30
大原学園 467.1 599.91 0.78 0.79
L2 AS狭山 197.1 115.12 1.71 1.20
新潟 1,302.3 670.36 1.94 0.89
R熊本 180.0 47.96 3.75 1.38
ジェフ 133.0 61.07 2.18 0.65
清水第八 185.0 78.92 2.34 1.06
湯郷ベル 631.3 235.94 2.68 0.95
前回と同様にグラフにしてみました.まずL1です.

レイナスが同程度のビジター動員力のチームの中では,ホームタウン入場者数が多くなっています.いわば内弁慶ですね.逆にTASAKIが同程度のホームタウン入場者数のチームの中では,ビジター動員力が飛びぬけています.外弁慶とでも言いましょうか.
特筆すべきはベレーザですね.ホームタウン入場者数もビジター動員力もトップクラスです.2004年度は唯一の全国区チームと言っていいでしょう.他のチームはバニーズが少々外弁慶気味ですが,似たりよったりです.このあたりが標準的なポジションなのかも知れません.
次にL2です.

新潟が飛びぬけて内弁慶です.湯郷のポジションが微妙ですが,どちらかというと標準グループに分類しました.
前回と同じくL1,L2のグラフを重ねてみます.

L1,L2の標準グループが密集して表示されることで,全国区ベレーザ,内弁慶の新潟&レイナス,外弁慶TASAKIが際立って見えます.
2004年のなでしこジャパンメンバーを多く擁するベレーザ,TASAKIの人気の高さが「ビジター動員力」如実に表れているように思います.企業チームかクラブチームか,といった違いが両チームのホームタウン入場者数の違いに表れているのかもしれません.

=== 続く===