新潟編

L1の入場者数もいよいよ浦和の番なのですが,その前にL2新潟をみてみたいと思います.新潟はL2の中で唯一自サイトで入場者数を発表していることと,チームのあり方が浦和やマリーゼと似ているように感じるからです.

まず,平均入場者数と安定度は以下のとおりです.すでに第三クールに入っていますが,9月25日は大原とのアウェイだったため,データは第二クールまでのものです.

入場者数の変化
新潟 ホームタウン ビジター
動員力
平均入場者数 標準偏差 安定度
2004年度 1,302.3 670.36 1.94 1.20
2005年度 1,713.2 617.94 2.77 2.88

これをいつものようにグラフにすると,こうなります.

f:id:Benny:20051001143935j:image

めずらしく,平均入場者数も安定度も上昇しています.でも,どっかでみたことのある形です.実は8月17日で紹介したマリーゼと同様でした.
さて,Lリーグ全体の中で新潟がどの程度入場者数を増やしているのか,下表を見てください.

入場者数の変化ホームタウン平均入場者数上位6チーム

2004年度 2005年度
チーム 人数 標準偏差 チーム 人数 標準偏差
1 ベレーザ 1,880.0 810.56 マリーゼ 3,471.5 2,055.46
2 A新潟 1,302.3 670.36 浦和レッズ 1,817.0 882.16
3 浦和レッズ 991.9 451.52 A新潟 1,713.2 617.94
4 TASAKI 757.1 553.34 湯郷ベル 1,534.9 722.91
5 バニーズ 685.7 606.71 ベレーザ 1,400.0 902.77
6 湯郷ベル 631.3 235.94 TASAKI 624.5 718.29
2004年度はベレーザに次いで2番目に多い入場者数を集めていた新潟ですが,2005年度は昨年度の3割増しの入場者数でも,マリーゼと浦和の急追により現在のところ3位に甘んじています.ただ,浦和との差はわずか100人で,各々のチームの標準偏差と比べて小さい値のため,簡単に100人程度の増減は出ます.逆転の可能性は十分あります.入場者数レースの2位争いの行方は,試合会場や天候などの要素で変わってしまうのかも知れません.

ところで,Lリーグの入場者数が増えたなどと言われることもありますが,ベレーザ以上の5チームとTASAKI以下の10チームとに二極分化しています.その様子はこの表で上位6チームの推移を見るだけで,一目瞭然です.6位の人数はほとんど一緒なのに,1〜5位の人数の構成が全く異なります.こうなると,ベレーザTASAKIの間の格差が,簡単に埋まるとは思えません.
入場者数の面で言えば,Lリーグ全体が発展しているわけではなく,特定のチームが発展しているだけのようです.乱暴なことを言えば,今年度の上位5チームでリーグ戦を行えば,興行的にはそこそこの成果がでるのかも知れません.
「Lリーグの発展」ということを「普及」と「強化」に分けて見た場合,L1で2強を形成しつつある,いわば「強化成功部門」のベレーザTASAKIが「普及」面では成功どころか,むしろ衰退しています.この状況では,マリーゼ,新潟,浦和,湯郷の4チームが人気面での牽引役になりながら強化を果たせるかが,Lリーグ全体の発展のポイントではないかと思います.それには新潟がいかにL1に昇格し定着できるか,Jでの成功事例に次いでLでの成功事例を作れるか,地方都市でのテストケースになると思います.

湯郷はJリーグチームを運営母体にもたない地方自治体主導型のテストケースと見ることができます.上表で3位と4位湯郷の間にある微妙な格差が今後埋まるのか,広がるのか,とても気になります.
浦和は新潟やベレーザと同じくJリーグチームが運営母体ですが,自分でチームを育てていない,という大きな特徴があります.

さて,次回以降,ときどき観戦記もはさみながら,浦和の入場者数変化をとおして,LリーグにおけるJリーグ効果の1例を考えていきたいと思います.

=== 続く===