マリーゼ「もしも1万人」編

9月25日のマリーゼ−浦和戦に1万人を動員しよう,というプロジェクトが動き出したようです.これが実現した場合に何が起きるのか,入場者分析の視点から見てみましょう.
まず,もし6,500人(スタンド満席状態)と10,000人(目標達成)した場合の平均入場者数その他を試算したのが次の表です.

もしもシミュレーション
もしもあづまに? 平均入場者数 標準偏差 安定度
2005年度実績 2,638.6 279.70 9.43
もしも6,500人 3,282.2 1,596.14 2.06
もしも10,000人 3,476.6 2,947.37 1.18
当然のことながら平均入場者数が大幅に増えています.これに伴いバラツキを表す標準偏差も増え,安定度が低くなっています.どのぐらい低くなったかというと,普通のチーム並になりました.
グラフにしてみましょう.


1万人動員しました.入場者数が増えました.バンザイ!! でしょうか?
現時点でのマリーゼは入場者が飛びぬけて多く,安定度もとてつもなく高い,というLリーグの中でも稀に見る「優良」チームです.企業チームでなければ,そこそこのスポンサーがつくかもしれません.でも,無理に(敢えて「無理」という言葉を使います)1万人集めた結果「安定度」が普通のチーム並の低さになってしまいます.数字の上では優良チームから普通のチームになってしまいます.
今回の動員は,現実的には1万人の目標達成できないでしょうが,地域の活性化という目的はある程度達成できるかもしれません.もしそうであれば,運動は成功です.ただ,突発的に人為的に入場者数が増えたとして(増やしたとして)Lリーグ,マリーゼ等にメリットがあるのでしょうか? 動員運動を展開するなら,まずは継続的に3,000人を集める運動を,主要なスタジアム周辺をから県内全域に繰り広げるほうが(困難なことですが)Lのためには嬉しいことです.今回の動員運動を仕掛けた方々自らが,今後継続的にマリーゼのホームゲームを観戦することを,切に願います.

ということで,約2,500人のマリーゼファンに浦和レッズ効果で+500人,さいたま市その他から駆けつける浦和ファンが50〜1,000人,合計3,000人超の入場者数が,現実的な人数ではないでしょうか.そしてもしマリーゼが動員に協力するならば,5,000人の実入場者数を確保してほしいと思います.チームと企業と地元が継続的に協力して入場者数の増加を図ることが,重要なのだと思っています.マリーゼはそれができるほとんど唯一のチームなのですから.

次回は,4月29日に普段の数倍の入場者数を記録した企業チームTASAKIについてです.企業による動員(と思われる)例が見られます.
=== 続く===