レミゼ

録画したままになっていた「天使になった歌姫 本田美奈子.」を見ました.
エポニーヌのシーンと,ナレーターに岩崎宏美が出ていたことには泣けました.
ミュージカル女優としての本田美奈子といえば「ミス・サイゴン」のキムが紹介されることが多いようですが,自分としては「レ・ミゼラブル」のエポニーヌのほうが重要です.
初演当時,コゼットの斉藤由貴とファンテーヌの岩崎宏美に惹かれ,ミーハー気分でプレビュー公演に出かけました.そこにエポニーヌ役で出演していたのが島田歌穂でした.「スターが作るミュージカルではなく,スターを作るミュージカル」と演出家がどこかで語っていたと思いますが,まさにこのことを証明したのが島田歌穂で,その後の活躍はご存じの方も多いと思います.レミゼは再演を繰り返すうちにキャストが何人も入れ替わりましたが,数少ない連続出演者の1人が島田歌穂でした.
数年後,大きなキャスト変更がありました.加賀バルジャン,滝バルジャンに山バルジャンが加わりました.ファンテーヌには久々に岩崎宏美が復帰したうえに,初演当時には斉藤由貴,柴田夏乃に続く3番手のコゼット役だった鈴木ほのかが加わりました.そして長年にわたり島田歌穂の独壇場ともいえたエポニーヌに挑戦し,新たな命を吹き込んだのが本田美奈子でした.加賀バルジャン,滝バルジャンそれぞれに魅力があったのと同様,島田歌穂本田美奈子は異なる魅力のエポニーヌでした.
数年前からレミゼはキャストのほとんどが入れ替えとなり,半分興味を失っていたのですが,本田美奈子がファンテーヌで出演するという発表がありました.
その矢先に入院の報道があり,そして,先日の訃報です.
5月に行われた懐かしいキャストが勢揃いした2000回記念公演を最後に,もうレミゼを観ることは無いかもしれません.